「規約が変わって、AI で作った動画は収益化できなくなった」——2025年の夏あたりから、この話をよく見かけるようになりました。
質問サイトを見ると、同じところで止まっている人が何人もいます。「AI 動画生成を使った動画は収益化できませんか」「AI を使った動画が収益の対象外になると聞いた」。回答は分かれていて、問題ないという人もいれば、危ないという人もいる。どちらも結論だけです。
そこで、YouTube ヘルプの「チャンネル収益化ポリシー」を開いて、AI に関係する記載を探しました。確認は2026年9月3日時点です。
※ 本記事は公開されている記載を整理したものです。個別のチャンネルや動画が収益化の対象になるかどうかを判定するものではありません。また、筆者は YouTube で収益化を行っておらず、以下はすべて公開資料を読んだ結果です。
まず、どこに書かれているのか
収益化の基準は、YouTube ヘルプの「YouTube のチャンネル収益化ポリシー」にありました。ページの冒頭に更新履歴が置かれていて、話題になっている2025年7月の変更もそこに記載されています。
ポリシー本体は、いくつかの項目に分かれていました。今回関係してくるのは次の四つです。
| 項目 | 扱っている範囲 |
|---|---|
| 一般的、または繰り返しの多いコンテンツ | テンプレート的な動画、動画ごとの違いが乏しいもの |
| 再利用されたコンテンツ | 既存の素材を流用し、独自の付加が乏しいもの |
| 満足度の低い、または不快なコンテンツ | 感情操作、驚かせることが目的のもの |
| デリケートなトピックに関連する AI ペルソナ | 健康・法律・金融・政治を扱う AI の人格 |
2025年7月に変わったのは名称だった
更新履歴の記載を読むと、2025年7月15日の変更は、「繰り返しの多いコンテンツ」というポリシーの名称を「量産型のコンテンツ」に変えたものでした。あわせて、繰り返しの多いものだけでなく大量生産されたものも該当することを明確にした、と書かれています。
そして同じ段落に、この種のコンテンツはこれまでも収益化の対象外だったという一文が置かれていました。新しく禁止が増えたのではなく、元からあった線を言い直した、と読めます。
もうひとつ、「再利用されたコンテンツ」のポリシーには変更がないとも明記されていました。解説・切り抜き・まとめ・リアクションを審査するのはこちらで、7月の変更とは別の話だということになります。
AI という言葉は、三か所に出てきた
次に、AI という語がどこに出てくるかを探しました。禁止事項として一か所にまとまっているわけではなく、可否の例として複数の項目に散っていました。
| 項目 | 扱い | 書かれていた例 |
|---|---|---|
| 量産型のコンテンツ | 収益化不可の例 | 独自の洞察や視点が加わっておらず、汎用的なテンプレートで作られ、大量生産の印象を与える AI 生成コンテンツ |
| 満足度の低いコンテンツ | 収益化可の例 | 自分で考案したキャラクターや物語を AI で視覚化する/台本の編集や背景ビジュアルの生成に AI を使う |
| 満足度の低いコンテンツ | 収益化不可の例 | 関連性のない AI クリップをつなぎ合わせたもの/有名人の死亡や災害を信じ込ませるリアルな映像 |
同じ「AI を使う」でも、可の例と不可の例が両方置かれていました。AI で作ったかどうかではなく、そこに何が足されているかで分けられていると読めます。
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分かれ目に置かれていた言葉
不可の例に共通していたのは、「独自の洞察や視点が加わっていない」「汎用的なテンプレート」という言い回しでした。可の例のほうには、自分で考案した、自分の視点を示している、といった表現が並んでいます。
審査時に見られる箇所も書かれていました。チャンネルの主なテーマ、再生回数の多い動画、最新の動画、総再生時間の多くを占める部分、タイトルやサムネイルなどのメタデータ、概要欄。個々の動画ではなくチャンネル単位で見る、という形になっています。
ただし、どこからが「独自の視点」にあたるのかの基準は書かれていませんでした。例示はありますが、線そのものは示されていません。
AI ペルソナだけは別に立っていた
あまり話題になっていないように見えましたが、AI の人格を扱う項目が独立して置かれていました。健康・法律・金融・政治といった分野で、人間の専門家を装って助言するチャンネルが対象です。
収益化が許可されない例として挙がっていたのは、医学的な診断や健康法を提供する AI「医師」、投資のヒントや資産管理の助言を行う AI ポッドキャストのホスト、法的助言や法律の解釈を行う AI ペルソナでした。
ここは動画の作り込みや独自性の話ではなく、扱う分野そのもので線が引かれているように読めます。前の項目とは性質が違いました。
AI と関係なく並んでいた項目
「再利用されたコンテンツ」の側にも目を通しました。こちらは AI とは無関係に適用される部分ですが、AI で素材を作る場合でも関係してきそうな記載が並んでいます。
収益化が許可されない例として、他のソースからダウンロードして実質的な変更を加えていないもの、説明のほとんどないクリップの寄せ集め、自分で作っていない文章を読み上げただけのもの、などが挙げられていました。権利の申し立てを受けていなくても、このポリシーの違反になりうるとも書かれています。著作権の処理とは別枠だ、という説明でした。
AI で生成した素材そのものの利用条件については、このページには書かれていません。ツール側の規約は別に調べています。
読んだ範囲を並べておく
| 見た文書 | 見た内容 | AI の記載 |
|---|---|---|
| チャンネル収益化ポリシー | 更新履歴・審査時の確認内容・各項目 | 三か所(可・不可の例と AI ペルソナ) |
| 広告掲載に適したコンテンツのガイドライン | 未確認 | 不明 |
| 合成メディアの開示に関する記載 | 未確認 | 不明 |
| 各生成ツールの利用規約 | 別記事で確認 | ツールごとに異なる |
収益化の可否は、このページだけで決まるものではないようです。冒頭に、コミュニティガイドライン・利用規約・著作権・AdSense プログラムポリシーにも従う必要があると書かれていました。
まとめ
読んで分かったのは、2025年7月の変更がポリシーの名称の変更であり、対象が新しく増えたとは書かれていなかったこと。AI という語は禁止事項としてではなく、可の例と不可の例の両方に置かれていたこと。そしてAI ペルソナだけが、分野を理由に別立てになっていたことでした。
分からないまま残ったのは、「独自の洞察や視点」がどこからそう認められるのかです。例は並んでいましたが、判断の基準そのものは、このページには書かれていませんでした。
自分のチャンネルが対象になるかどうかは、ポリシーを読んでも決まりません。ただ、「AI だから駄目」なのか「作り方が理由」なのかは、上の表のどちらの側かで分かれるはずです。そこまでは今回で分かりました。
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