AI で曲を作れる Suno(スノ)を使って、できた曲を YouTube や配信サービスで収益にしたい。そう考える人は多いようで、質問サイトには同じ種類の相談が何年も続けて出てきます。
「無料版で作った曲を、あとから有料プランに入れば商用利用できるのか」「タイトルや歌詞は自分で考えた曲でも、無料版なら収益化は禁止なのか」「無料版で作った曲か有料版で作った曲か、そもそも判別できるのか」。最近は、「無料版で作った曲をダウンロードしようとしたら、今 Pro にすればこの曲も商用 OK になるという案内が出た」という質問もありました。
回答には「無料版の曲は課金しても商用利用できない」というものが多い一方で、最後の質問のような案内が実際に出ているようです。そこで、Suno の公式ヘルプセンターを開いて、権利と商用利用に関する記載を確かめました。確認は2026年10月19日時点です。
※ 本記事は公開されている記載を整理したものです。個別の曲が商用利用できるかを判定するものではありません。また、筆者は Suno で作った曲を販売・配信したことはなく、以下はすべて公開資料を読んだ結果です。ヘルプセンターは英語のみのため、以下の訳は筆者によるものです。
無料プランと有料プランを並べると
先に全体を示します。分かれ目は曲を作ったときに有料プランに入っていたかどうかでした。
| 無料プラン(Basic) | 有料プラン(Pro・Premier) | |
|---|---|---|
| 曲の所有者 | Suno | ユーザー |
| 使い方 | 個人的な非商用の利用のみ | 商用利用が認められる |
| 収益化 | できない | 配信、映像作品やゲームへの使用、単独での販売など |
| 解約したあと | ― | 加入中に作った曲の商用利用の権利は残る |
| 月のダウンロード | 体験ダウンロードのみ(商用利用の対象外) | Pro 20 回、Premier 60 回 |
無料プランの曲は、Suno のものでした
ヘルプセンターの「Does Suno own the music I make?(作った曲は Suno のものか)」というページは、判断の目安を一つの問いにまとめていました。「その曲を作ったとき、有料プランに入っていたか」です。
Pro か Premier に入っていたときに作った曲なら、ユーザーがその曲の所有者とみなされ、加入をやめたあとも商用利用の権利は残ると書かれていました。一方、無料版(Basic)で作った曲は、Suno が所有権を持ち続け、ユーザーは非商用の目的に限って使えるという扱いです。
無料プランの権利を説明した別のページにも、無料プランで作った曲は個人的な非商用の利用のためのもので、収益化はできないと書かれていました。質問サイトにあった「YouTube で広告収入を得る動画に使えるか」は、この「収益化」に当たります。
あとから有料にしても、原則として権利は付かない
いちばん多かった「あとから課金すれば使えるのか」という疑問には、専用のページがありました。
そこには、Pro や Premier に加入しても、無料プランで作った曲にさかのぼって商用利用のライセンスが付くことは、デフォルトではないと書かれていました。無料プランで作った曲は非商用の目的にしか使えない、という扱いは変わりません。
ただし、同じページには続きがありました。「特定の場合には、さかのぼって権利を提供することがある。ただし保証はなく、特定の曲にのみ適用される」という一文です。
質問サイトにあった「今 Pro にすればこの曲も商用 OK になる」という案内は、この例外の側だと読めます。つまり、「課金しても無料時代の曲は使えない」という回答も、「案内が出た曲は使える」という体験も、どちらも公式の記載と矛盾していません。原則は付かない、例外として個別の曲に付くことがある、という書き方でした。どの曲に、どういう条件で例外が出るのかは、書かれていませんでした。
2026年9月から、「ダウンロード」が条件に入っていた
今回読んでいて気づいたのが、2026年9月3日に更新されたページの書き方です。
有料プランの権利を説明したページは、この日に更新されていて、冒頭は「加入中にダウンロードした曲に、商用利用の権利が与えられる」という書き方になっていました。商用利用の権利があれば、Suno が収益の取り分を求めることなく、好きなように収益化できるとも書かれています。
同じ日に更新されたダウンロードの説明ページによると、ダウンロードには回数の枠ができていました。
| プラン | ダウンロード |
|---|---|
| Pro | 毎月 20 回分 |
| Premier | 毎月 60 回分(Suno Studio での作業は回数制限の対象外) |
| 無料(2026年9月3日より前に登録) | 最大 7 回の体験ダウンロード。追加購入も可能 |
| 無料(2026年9月3日以降に登録) | 体験ダウンロードを受け取れることがある。追加購入も可能 |
このページには、体験ダウンロードは商用利用の対象にならないとはっきり書かれていました。無料のままダウンロードした曲は、使える回数があっても収益化には使えない、ということです。ダウンロード枠は翌月に繰り越されないことも、別のページに書かれていました。
「作ったとき」と「ダウンロードしたとき」、書き方が分かれていた
ここで、ページによって書き方が違うことに気づきました。
| ページ | 最終更新 | 権利の条件の書き方 |
|---|---|---|
| Does Suno own the music I make? | 2026年1月7日 | 曲を作ったときに加入していたか |
| Can I distribute my songs to Spotify, etc? | 2025年12月17日 | 加入中に作った曲 |
| What rights do I have with a paid subscription? | 2026年9月3日 | 加入中にダウンロードした曲 |
古いページは「作ったとき」、2026年9月に更新されたページは「ダウンロードしたとき」を基準に書いていました。たとえば、有料プランのときに作り、解約後にダウンロードした曲や、無料プランで作り、有料に入ってからダウンロードした曲がどちらに当たるのかは、ページによって読み方が変わります。
ヘルプセンターは、迷ったときは利用規約(Terms of Service)を見るように案内しています。今回はヘルプセンターの範囲で読んだので、利用規約の最新の条文でどちらに統一されているかまでは確かめていません。作るときもダウンロードするときも有料プランに入っているのが、どちらの書き方にも当てはまる状態だと言えます。
歌詞は、どのプランでも自分のもの
質問サイトには「歌詞は自分で書いたが、無料版で作った曲はどうなるのか」という質問もありました。
ヘルプセンターには、自分で書いた歌詞は、どのプランを使っていてもその人のものだというページがありました。ただし、それで曲全体が自分のものになるわけではありません。無料プランで作った曲そのものは、先に見たとおり Suno の所有で非商用のみという扱いです。歌詞と曲は別に考える、という整理になっていました。
また、有料プランの権利を説明したページには、商用利用の権利が与えられることと、著作権で保護されることは別だという注意もありました。著作権が認められるかは、Suno ではなく各国の著作権を扱う機関が判断する、と書かれています。
配信サービスの側のルールは別にある
Suno の有料プランで商用利用の権利があっても、配信する側にも AI 曲についての決まりがあります。TuneCore が AI で作った曲をどう扱っているかは、別の記事で読んでいます。
YouTube で AI を使った動画を収益化するときのポリシーも、別にまとめました。
調べても分からなかったこと
| 疑問 | 今回読んだ範囲での状態 |
|---|---|
| 無料プランの曲に、どんな条件でさかのぼって権利が付くのか | 「特定の場合」「特定の曲」とだけ書かれている |
| 「作ったとき」と「ダウンロードしたとき」、どちらが基準か | ページによって書き方が違う。利用規約の条文は未確認 |
| 無料版の曲か有料版の曲か、外から判別できるのか | 記載なし |
2026年9月のように、ダウンロードの扱いはここ 1 年でも変わっています。収益化を考えている曲を作る前には、ヘルプセンターと利用規約の最新版をあらためて確認してください。
まとめ
読んで分かったのは、無料プランで作った曲は Suno の所有で、収益化はできないこと。有料プランに入っていたときの曲はユーザーのもので、解約後も商用利用の権利が残ること。そして、あとから有料にしても原則としてはさかのぼらないが、特定の曲に例外が出ることはあると書かれていたことでした。
2026年9月からは、ダウンロードに回数の枠ができ、無料の体験ダウンロードは商用利用の対象外になっていました。権利の条件を「作ったとき」と書くページと「ダウンロードしたとき」と書くページが並んでいる点は、今回読んだ範囲では整理しきれませんでした。
収益化を考えている曲なら、作るときもダウンロードするときも有料プランに入っている状態にしておく。今回の公式ヘルプから言えるのは、ここまででした。
※ 本記事の内容は2026年10月19日時点で確認した公開情報です。Suno ヘルプセンターの訳は筆者によるもので、公式の日本語訳ではありません。



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