「ブログで月30万円」「アフィリエイトで月100万円」——こういう話、よく見かけます。
読むたびに引っかかっていたことがあります。その金額に届くまで、何ヶ月かかったのかが書かれていないことです。1年なのか5年なのかで、話がまったく変わってきます。
そこで、業界団体の調査と、月別の実績を公開している方のデータを並べてみました。「稼げない」と言いたいわけではありません。時間軸を戻すと何が見えるか、という話です。
まず、全体の分布から
一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)が「アフィリエイト市場調査2025」を発表しています。2025年12月にアフィリエイトサイト運営者1,000名を対象に行われた調査です。
| 調査年 | 月3万円以上 | 月1,000円未満 |
|---|---|---|
| 2013 | 2.4 % | — |
| 2021 | 8.7 % | 68.6 % |
| 2023 | 9.4 % | 66.2 % |
| 2025 | 12.4 % | 52.5 % |
読み方が二つあります。
一つは、今も半分以上が月1,000円未満だということ。もう一つは、その割合が下がり続けているということです。2021年に68.6%だったものが2025年には52.5%になっています。月3万円以上は12年で2.4%から12.4%へ、5倍以上になりました。
別の調査でも近い数字が出ています。NPO法人アフィリエイトマーケティング協会の意識調査では、1,000人以上の回答のうち最も多いのは月収1万円未満で全体の約6割、一方で月5万円以上も約2割という結果です。
つまり「誰でも稼げる」でも「誰も稼げない」でもありません。2割は届いていて、6割は届いていない。ここが出発点です。
では、何ヶ月かかっているのか
ここからが本題です。月別の実績を公開している方のデータを並べます。金額そのものより、ゼロの期間がどのくらい続いているかを見てください。
ケース1:25ヶ月で月484万円まで
おそらく最もよく引用される事例です。月別の推移が公開されています。
| 期間 | 月間売上 |
|---|---|
| 1〜8ヶ月目 | 0〜0.9万円 |
| 9〜10ヶ月目 | 3万 → 7万円 |
| 11〜12ヶ月目 | 14万 → 23万円 |
| 18ヶ月目 | 37万円 |
| 21ヶ月目 | 148万円 |
| 25ヶ月目 | 484万円 |
最初の8ヶ月が、ほぼゼロです。この期間を抜けたあとに数字が動き出しています。
「月484万円」という数字だけが切り取られて紹介されることがありますが、そこに至るまでに2年以上かかっています。しかも最初の3分の1は無収入です。
ケース2:5ヶ月目に初収益、1年で約16万円
1年間の運営結果を公開している例です。5ヶ月目に収益化を達成し、年間で約16万円の売上という報告です。
月平均にすると1.3万円ほど。先ほどの調査でいえば「月1万円未満」の層のすぐ上にあたります。1年続けてこの位置、というのが一つの目安になります。
ケース3:週1更新で1年、63,716円
こちらは作業量まで公開されています。1年で49記事、ほぼ週1本のペース。収益は年間63,716円でした。
興味深いのは黒字化の基準を自分で置いている点です。サーバー・ドメイン代で月1,000円ほどかかるので、それを超えれば黒字という考え方をしています。
「月○万円」の話とは規模が違いますが、こちらのほうが実際には多数派だと思われます。先ほどの分布と照らすと、月1万円未満の約6割はこのあたりにいます。
ケース4:2ヶ月目から月500円
2023年10月開始で、初月は収益ゼロ。Google AdSenseに合格して2ヶ月目から500円ほどという報告です。
ここで注目したいのは金額ではなく、AdSenseに合格した時点で数字が動き出していることです。次の節につながります。
最初の関門は「合格」だった
実績を並べていて気づいたのは、収益ゼロの期間の中身が「記事を書いていない」ではないことです。書いてはいるのに、収益化の入口に立てていない期間があります。
ある方はブログ開始から5ヶ月、申請8回目でGoogle AdSenseに合格したと公開しています。その時点で3カテゴリ17記事、直近1ヶ月で1日120〜250PVという状態でした。
8回というのは、7回落ちているということです。この期間は当然ながら広告収入がゼロです。「ブログを始めて半年、まだ1円も入らない」という状態は、失敗ではなく通過点である可能性が高いということになります。
同じ方は、Amazonアソシエイトにも挑戦して約3週間で合格したと書いています。Amazonアソシエイトは登録後180日以内に3件以上の適格販売を達成する必要があり、これも時間のかかる関門です。
数字が動き出す位置
4つのケースを並べると、金額の桁は違うのに、最初の数ヶ月の形は似ています。
| ケース | 初収益 | 1年時点 |
|---|---|---|
| 1 | 9ヶ月目に3万円 | 23万円/月 |
| 2 | 5ヶ月目 | 年間16万円 |
| 3 | — | 年間63,716円 |
| 4 | 2ヶ月目に500円 | — |
初収益までが2〜9ヶ月。そして1年時点では、大きく伸びたケースでも月23万円で、そこから月484万円までにはさらに13ヶ月かかっています。
ここから言えることは一つだけです。「半年やってダメだった」は、判断するには早すぎます。分布の上位2割にいる方々も、その時期は同じ場所にいました。
逆に言えば、半年から1年、収入ゼロで続けられる前提がないと始めても続きません。これは根性の話ではなく、時間とお金の設計の話です。サーバー代は毎月出ていきます。
AI が変えたところ、変えていないところ
ここは IT の仕事をしている立場から補足します。
生成AIで記事を書く時間は確実に短くなりました。調べる、構成を組む、下書きを作る——ここは半分以下になります。私自身、下書きにはAIを使っています。
ただし短くなったのは前半だけです。検索エンジンが新しいサイトを評価するまでの時間、AdSenseの審査、ASPの提携審査——これらは1文字も速くなっていません。
| AI で変わったか | |
|---|---|
| 記事を書く時間 | 短くなった |
| 検索に載るまでの時間 | 変わらない |
| AdSense 審査 | 変わらない |
| ASP の提携審査 | 変わらない |
むしろ書く速度が上がったぶん、待つ時間が目立つようになりました。「10記事書いたのに何も起きない」が、以前より早く訪れます。
もう一つ。AIで量産した記事がそのまま評価されるわけではありません。2024年3月のGoogleのスパムポリシー更新で、大量生成されたコンテンツの不正使用が明示的に対象になりました。速く書けることと、載ることは別の話です。
まとめ
- 業界調査では月1,000円未満が52.5%。ただしこの割合は2021年の68.6%から下がり続けている
- 月3万円以上は12.4%。12年で2.4%から5倍以上に増えた
- 公開実績では初収益まで2〜9ヶ月。大きく伸びたケースでも最初の8ヶ月はほぼゼロ
- 「月484万円」の事例は、そこまで25ヶ月かかっている
- AdSense合格まで5ヶ月・申請8回という例もある。ゼロの期間の中身は「入口待ち」であることが多い
- AIで書く時間は短くなったが、待つ時間は変わっていない
「ブログは稼げない」という話でも、「誰でも稼げる」という話でもありません。2割は届いていて、そこには数ヶ月から2年の時間がかかっている——それだけのことです。
始めるかどうかを決めるとき、金額だけを見ると判断を誤ります。その金額の下に何ヶ月が隠れているかを一緒に見てください。
※ 本記事の数値は、日本アフィリエイト協議会「アフィリエイト市場調査2025」、アフィリエイトマーケティング協会「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査2025」、および個人が公開している運営報告によります。調査時点は2026年8月です。


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