先日、韓国映画・ドラマを扱うサイトを 1 つ新しく立ち上げました。ドメイン取得からサイトが動くまで、実作業でおよそ 3 日です。手順そのものは何度もやっているので、迷うところはないつもりでいました。
実際には、いくつかの場所で止まりました。原因は単純で、入れた WordPress が 7.0 で、管理画面が以前と変わっていたからです。検索して出てくる手順記事は 6.x までのものが多く、書いてある場所にその項目がありません。
この記事は、その「通らなかったところ」だけを並べた作業記録です。一般的な立ち上げ手順の解説ではありません。これから新規に 1 つ作る人が、同じところで時間を落とさないためのものです。
今回の構成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サーバー | エックスサーバー(既存契約にドメイン追加) |
| WordPress | 7.0 |
| テーマ | Cocoon(子テーマ) |
| 投稿方法 | REST API で下書き作成 → 管理画面で公開 |
| 作業日数 | 実作業 3 日(記事執筆を除く) |
同じ構成でなくても、7.0 を新規インストールした時点で 1 番目と 2 番目は共通で起きます。
1. 管理画面の一覧表示が変わっていて、設定項目が見つからない
WordPress 7.0 では、投稿・固定ページ・ユーザーなどの一覧画面のインターフェースが刷新されました。表の見た目、絞り込み、表示項目の切り替え方が以前と違います。
何が困るかというと、手順記事に書いてある「ここをクリック」がそのまま通らないことです。項目自体はあるのに、置き場所や開き方が変わっている。今回は二段階認証の設定場所とユーザー一覧の表示項目で、それぞれ探し直しになりました。
対処は 2 つです。
- 手順記事の日付を先に見る。2025 年以前のものは画面が違う前提で読む
- 探すより検索窓を使う。管理画面上部の検索から設定名を直接引くほうが早い
当たり前の話に見えますが、「知っている画面だ」と思い込んでいると、この切り替えが遅れます。私はここで一番時間を使いました。
2. REST API で著者を指定しようとしたら、ユーザー ID が取れない
記事は REST API 経由で下書きを作る運用にしています。このとき著者(author)を数値の ID で指定する必要があります。
ところが、新規サイトでは ID が取れませんでした。理由は 2 つ重なっていました。
- 公開されている users エンドポイントは、記事を 1 本以上書いたユーザーしか返さない。記事 0 本の新規サイトでは、当然ながら空で返ってくる
- 管理画面から確認する旧来の手順が、7.0 の一覧刷新で通らない
つまり「最初の 1 本を投稿するために ID が要るのに、1 本も投稿していないから ID が取れない」という順番の問題です。
解決:ID ではなくログイン名を持たせる
設定ファイルに数値 ID を書いておくのをやめ、ログイン名を書いておいて、投稿する瞬間にコードが ID へ解決する形に変えました。
ログイン名はアカウントを作るときに自分で決めた値なので、必ず分かっています。ID のように「調べないと分からない値」ではありません。事前に調べないと書けない値を設定に置かない、という設計の話です。
解決に失敗しても投稿自体は続行する作りにしてあります。その場合は認証したアカウントが著者になるので、公開前に編集画面で直せば済みます。止めるほどの失敗ではないものを、止まる作りにしないのは大事なところです。
3. 記事の著者名は、投稿用アカウントのままにしない
自動投稿用に専用アカウントを作ると、そのまま記事の著者になります。公開ページのプロフィール欄に、システム用のアカウント名が出ます。
見た目の問題だけではありません。検索エンジンは著者情報を評価の材料に使います。実体のないアカウント名義では、誰が書いたのかという情報が成立しません。
接続に使うアカウントと、記事に表示される著者は別に分けます。前項のログイン名指定は、そのための仕組みでもあります。
4. 法務用の固定ページは、記事より先に作る
プライバシーポリシー・免責事項・運営者情報・お問い合わせ。この 4 つは記事を書き始める前に作ります。
後回しにすると、記事が増えてから全記事の表記点検をやり直すことになります。私は別のサイトでそれをやりました。先に 4 ページ置いておけば、点検は 1 回で終わります。
もう 1 つ、同じ運営者が複数サイトを持つなら、この 4 ページの構成をサイト間で揃えておくほうが後が楽です。片方が「運営者情報」を独立ページに置き、片方が免責事項の中に書いている、といった状態だと、法改正のたびにサイトごとに違う点検をすることになります。
5. お問い合わせフォームに、いらない部品を足さない
問い合わせフォームにスパム対策を入れようとして、外部サービスの認証部品を連携させました。結果としてフォーム全体が正しく動かなくなり、原因を切り分けて外しました。
立ち上げ直後、まだ誰も来ていないサイトです。スパムが来ていない段階で対策を厚くしても、確認できるのは不具合だけです。実際に届き始めてから足すほうが、原因も切り分けやすくなります。
6. OGP タグが二重に出ていた
SNS にリンクを貼ったときに使われる OGP タグが、テーマ側と SEO プラグイン側の両方から出力されていました。テーマにも SEO プラグインにも OGP 機能があるためです。
どちらが優先されるかは受け取る側次第なので、意図しない画像や説明文が出る可能性があります。どちらか一方を止めて、出力元を 1 つにします。
確認方法は簡単で、公開ページのソースを開いて og:image や og:title が何個あるか数えるだけです。2 つ以上あれば二重出力です。テーマとプラグインを両方入れている場合は、立ち上げ時に一度見ておくといいところです。
まとめ
| 止まった場所 | 対処 |
|---|---|
| 管理画面の項目が見つからない | 手順記事の日付を見る/管理画面の検索を使う |
| 新規サイトでユーザー ID が取れない | ログイン名を持たせ、投稿時に解決する |
| 著者がシステム用アカウントになる | 接続用と表示用のアカウントを分ける |
| 法務ページの後回し | 記事より先に 4 ページ作る。複数サイトなら構成を揃える |
| フォームが動かない | 立ち上げ時に部品を足しすぎない |
| OGP タグの二重出力 | テーマかプラグインか、出力元を 1 つにする |
共通しているのは、「知っているつもりの手順」と「今の画面」がずれていたという点です。バージョンが上がった直後は、慣れているほど遅れます。
立ち上げたサイトの運用が進んだら、その記録も書きます。

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