AI で文章を書いて、note の有料記事として売る。AI 副業の話題で、よく名前が挙がる方法です。
ところが調べてみると、説明がばらばらでした。「AI 利用の明記が必須になった」という記事もあれば、「AI について独自のルールは設けていない」という記事もあります。「AI 記事は BAN される」と書いているものもありました。
どれが本当なのか。note のご利用規約とコミュニティガイドラインを読んでみました。以下は 2026 年 9 月 11 日時点で確認した内容です。
まず、どこに書かれているのか
note のルールは、「note ご利用規約」にまとめられています。確認した版は 2026 年 5 月 26 日更新のもので、改定履歴には第 23 版(2026 年 5 月 27 日制定)とありました。
規約は、全員に適用される「note 総則規約」と、記事を売る側に適用される「note クリエイター規約」などに分かれています。有料記事を売る場合に関係するのは、主にクリエイター規約です。
もう一つ、ヘルプセンターに「コミュニティガイドライン」があります。こちらは禁止事項を分かりやすく言い直したもので、中身は規約を参照する形になっていました。
AI の明記を求める条文は、見つけられませんでした
最初に探したのは、「AI で作ったことを書かなければならない」という条文です。
ご利用規約の全文と、コミュニティガイドラインを読んだ範囲では、AI の利用を明記するよう求める条文は見つけられませんでした。AI で書いた記事を禁止する条文もありません。
規約の中で AI や機械学習が出てくるのは、次の箇所でした。
| 条項 | 書かれていた内容(要旨) |
|---|---|
| クリエイター規約 5.2 | note 側がコンテンツや行動履歴を機械学習などで解析し、おすすめに使うことがある |
| クリエイター規約 6.10 | 投稿されたコンテンツを学習データとして第三者に提供することがあり、有償の場合は収益の一部をクリエイターに支払う。設定で提供しないようにできる |
| クリエイター規約 6.11 | 一部のコンテンツを自動翻訳して掲載することがある。設定で止められる |
どれもnote 側が AI をどう使うかの話で、書き手が AI を使うことの可否ではありません。
もう一つ参考になるのは、note 自身が「note AI アシスタント」という文章作成支援の機能を提供していることです。その利用条件には、出力に誤りが含まれる可能性があること、出力が第三者の権利を侵害しないことは保証しないこと、が書かれていました。AI を使って書くこと自体は、サービスの前提に組み込まれていると読めます。
では、何が禁止されているのか
AI かどうかとは別に、有料記事に関わる禁止事項ははっきり書かれていました。クリエイター規約の第 9 条(禁止事項)から、関係しそうなものを抜き出します。
- 盗作、剽窃など、他者の著作権等を侵害しているもの
- 詐欺やそのおそれがあるもの
- マルチ商法等、ユーザーに不利益をもたらすと判断される情報商材
- 「必ずもうかる」等、ユーザーに著しい誤解を招く表現を用いたもの
- 景品表示法など、広告に関する法令に違反するもの、またはそのおそれのあるもの
さらに第 10 条(利用の停止)には、次のような場合に事前の通知なく利用停止や削除をすることがある、と書かれています。
- 売上や利益を公開して、購入を煽る場合(確定・未確定を問わない)
- スパム投稿、スパム行為であると判断した場合
- 不適切な内容であると独自に判断した場合
「AI 記事は BAN される」という説明は、おそらくこのあたりと結びついています。AI で大量に作った似た記事はスパムと判断されやすく、「AI で月○万円」と売上を見せて売る記事は第 10 条に触れやすい。ただしそれは AI だからではなく、書かれている行為に当たるからです。
違反したときの扱いは重い
もう一つ、読んでおいたほうがよい条文があります。第 11 条です。
規約に違反し、かつ悪質な販売をしている場合や、複数回違反した場合などには、売ったコンテンツの代金の支払いを拒否し、違約金として没収することがあると書かれていました。すでに支払われたものは返金を求める、ともあります。
違反の疑いがあると判断された段階で、代金の支払いを一時的に止めることができる、という規定もあります。
また第 6 条には、規約が守られているかを確かめるため、有料記事の中身を note 側が確認できると書かれていました。有料部分なら見られない、ということにはなりません。
AI とは関係なく、売る前に必要なこと
規約を読んでいて、AI とは別に押さえておくべき条文もありました。
クリエイター規約の第 2 条には、自分のページに特定商取引法その他の法令に従った表示を行うと書かれています。有料でコンテンツを売る以上、販売者としての表示が求められる、ということです。
第 1 条には、18 歳未満のクリエイターが有料で販売する場合は、事前に親権者など法定代理人の包括的な同意が必要とあります。疑いがある場合は販売を停止したうえで確認の連絡をすることがある、とも書かれていました。
もう一つ、総則規約の第 13 条には、自分が売っているコンテンツを自分で買う行為を禁止する条文があります。アカウント名が違っていても、実質的に同一の人が管理していると判断されれば対象になる、という書き方でした。
入ってくる金額の決まり
収益の条件も、規約に数字で書かれていました。
| 項目 | 書かれていた内容 |
|---|---|
| 差し引かれるもの | 事務手数料、プラットフォーム利用料、振込手数料 |
| プラットフォーム利用料 | 代金から事務手数料を引いた金額の10% |
| 受け取りの下限 | 代金が1,000 円以上になってから申請できる |
| 申請の期限 | 代金が確定してから180 日以内 |
180 日を過ぎても申請しない場合、1,000 円以上なら登録した口座へ出金され、1,000 円未満ならギフトカードで送られることがあると書かれています。
ここも AI とは関係のない部分ですが、「売れたら終わり」ではないという点は先に知っておいたほうがよさそうです。
「AI 明記が必須」という説明はどこから来たのか
ここは推測を含みます。
2025 年 8 月、note は規約を改定し、コンテンツを AI 事業者に学習データとして提供して収益を還元する仕組みを始めました。「note の規約が AI 絡みで変わった」という話題が広がったのはこの時期です。
この「AI 関連の改定」が、いつの間にか「AI で書いたら明記しなければならない」という話に置き換わって伝わった可能性はあります。ただ、改定の中身は学習データの提供の話でした。
なお、規約にはサイト上に掲載するルールも規約の一部になると書かれています。ヘルプセンターのすべての記事を読んだわけではないので、別の場所に AI についての定めがある可能性は残ります。ここは断定しないでおきます。
ほかの販売先では、申告が必要な場合もある
ここで注意しておきたいのは、note に明記の義務が見当たらないからといって、どこでも同じではないことです。
同じ文章でも、電子書籍として Kindle で出す場合は、AI で作った内容を出版時に申告する仕組みがあります。販売先によって、ルールの置き方がまったく違います。
また、明記の義務がないことと、明記したほうが買う人に誤解を与えないかは別の問題です。有料記事は買ってからでないと中身が分かりません。何をどう作ったかが購入の判断に関わる内容なら、書いておくことで行き違いは減らせます。そこは書き手の判断です。
ブログの広告と、同じ結論になりました
読み終えて気づいたのは、以前 Google のアドセンスのポリシーを読んだときと、構図がほとんど同じだということです。
あちらでも、線が引かれていたのは「AI で作ったかどうか」ではなく、「価値を加えずに大量に作っているか」の側でした。note の規約も、見ているのは盗作・誤解を招く表現・煽り・スパムといった行為です。
読んだ範囲を並べておく
| 文書 | 読んだ箇所 |
|---|---|
| note ご利用規約(2026 年 5 月 26 日更新) | 総則規約・クリエイター規約の全文 |
| コミュニティガイドライン(ヘルプセンター) | 全文 |
| note AI アシスタントのご利用条件 | 出力の扱いに関する記載 |
ヘルプセンターのほかの記事、AI 学習の還元プログラムの詳細は、今回は読んでいません。
まとめ
- ご利用規約とコミュニティガイドラインに、AI の利用を明記するよう求める条文は見つけられなかった
- 規約で AI が出てくるのは、学習データの提供・自動翻訳・おすすめの解析など、note 側の利用の話
- 禁止されているのは盗作、詐欺、情報商材、「必ずもうかる」、売上で煽る行為、スパムなど
- 違反が悪質な場合は代金の没収や返金請求がありうる
- ヘルプセンターの別の記事に定めがある可能性は残る
- 販売先が変われば、申告が必要な場合もある
※本記事は 2026 年 9 月 11 日時点で公開されている規約とガイドラインを確認したものです。規約は改定されるため、販売前に最新の記載をご確認ください。



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