2026 年 1 月、大手のプログラミングスクールが募集を停止しました。
2026 年 9 月時点でも、主要なスクールのいくつかが特定コースの新規受付を止めています。知名度で選んで申し込もうとしても、手続きが進まない場合があるという状況です。
ここから読めることは 1 つです。この業界に何かが起きています。
では、いまスクールに数十万円を払う意味は残っているのか。調べて整理しました。以下は 2026 年 9 月 10 日時点で確認した公表情報にもとづきます。
先に断っておきます。私は特定のスクールに通っていません。ですから「このスクールが良い」という話は書けません。公表されている情報から読めることだけを書きます。
スクールが売っているもの
「プログラミングを教えてくれる場所」と一言でまとめると、話が雑になります。実際には複数の機能が束になっています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ① カリキュラム | 何を、どの順で学ぶかを決めてくれる |
| ② 講義 | プログラミングそのものを教える |
| ③ 質問対応 | 分からないところを聞ける |
| ④ 制作支援 | 作品づくりを手伝ってくれる |
| ⑤ 就業支援 | 転職・案件獲得を支援する |
分けて考えると、AI が影響を与えたのは全部ではないことが見えてきます。
置き換わったのは ②と③ です
変化がいちばん大きいのは、教える部分と質問対応です。
従来、エラーで詰まったときの手順はこうでした。
- 検索する
- 技術系の Q&A サイトを読む
- 個人の技術ブログを読む
- それでも分からない
- メンターに質問する
いまは最初の段階で AI に貼り付けて聞けます。しかも 24 時間、待ち時間なしで、何度でも聞き直せます。
数字も出ています。Stack Overflow が 2026 年 2 月に実施した調査では、開発者の 64% が学習に AI を利用していると報告されています。
「質問できる」ことがスクールの価値だった時代は、ここで一度切れています。
残っているのは ①④⑤ です
逆に、AI が肩代わりしにくい部分もあります。
①のカリキュラムは、意外に効きます。AI は聞かれたことには答えますが、「次に何を学ぶべきか」は聞かれないと答えません。そして初心者は、何を聞けばいいかが分かりません。
④の制作支援も残ります。AI に頼めばコードは出てきますが、「作品として成立しているか」の判断は別の話です。
⑤の就業支援が、いま最も価値が集中している部分だと思います。ここは AI では代替されません。
報道でも、スクールは「コードを教える場」から「成果にコミットする場」へ移行を迫られているという整理が出ていました。
評価される側の基準も変わりました
もう 1 つ、押さえておく点があります。企業が求めるものが変わっています。
| かつて | いま |
|---|---|
| コードを書けること | AI が生成したコードを理解・修正できること |
| 文法を知っていること | 成果物を説明し、改善できること |
これは学習の目標地点が動いたということです。「書けるようになる」だけでは足りなくなりました。
需要が高いとされる分野も挙がっています。AI・データ活用、クラウド、セキュリティ・インフラ、社内の業務改善。いずれも「コードを書く」より広い範囲です。
独学の壁は、どこにあったか
「AI があるなら独学でいい」と言い切る前に、独学が続かなかった理由を思い出しておく価値があります。
よく挙がるのは 3 つです。
| 壁 | AI で解けるか |
|---|---|
| エラーで詰まって進まない | かなり解けます |
| 何を学べばいいか分からない | 聞き方が分かれば解けます |
| 続かない | 解けません |
3 つ目が残ります。AI はいつでも答えてくれますが、学習を始めさせてはくれません。
2 つ目も、実は完全には解けていません。AI に「何から学べばいいですか」と聞けば答えは返ってきます。ところがその答えが自分に合っているかを判断する材料が、初心者にはありません。
詰まる場所が変わっただけ、とも言えます。以前は「分からない」で止まり、いまは「分からないことが分からない」で止まる。
AI に聞きながら学ぶときの落とし穴
もう 1 つ、実際にやってみて気づいた点があります。
AI に聞くと、その場では解決します。エラーが消えて、動くようになる。ところがなぜ直ったのかが残らないことがあります。
同じエラーに次に当たったとき、また同じように貼り付けて聞く。これを繰り返していると、作業は進むのに理解は積み上がりません。
対策としては、直ったあとに「なぜこれで直ったのか」をもう一度聞くことです。ひと手間ですが、そこを飛ばすと後で効いてきます。
企業が求めているのが「AI が生成したコードを理解・修正できること」である以上、理解が残らない使い方は目標とずれます。
では、どう判断するか
ここまでを踏まえると、判断の軸は「スクールが良いか悪いか」ではなくなります。
自分が①③④⑤のどれを買おうとしているかです。
| 買おうとしているもの | 判断 |
|---|---|
| ②講義だけ | 再考の余地があります。無料教材と AI で代替しやすい部分です |
| ①順番を決めてほしい | 独学で挫折した経験があるなら、意味があります |
| ⑤転職支援がほしい | ここが目的なら、実績を確認する価値があります |
| 強制力がほしい | 「お金を払ったから続く」は実際に効きます |
最後の項目は、真面目な話です。独学が続かない理由は、教材の質ではなく続ける仕組みがないことである場合が多いからです。
ちなみに、動画編集などプログラミング以外の講座が同梱されているものもあります。どちらに転ぶか決めきれていない段階なら、選択肢の 1 つになります。
学ぶ前に、置き場所が要ります
スクールの話から少しずれますが、抜けやすい点なので書いておきます。
作ったものを人に見せる場所が必要になります。転職でも案件獲得でも、「これを作りました」と示すところまでが 1 セットです。
手元で動くだけでは、相手に見せられません。公開できる場所を用意するところで、もう 1 段つまずくことがあります。
スクールによっては、この部分を含めて面倒を見るところもあります。含まれているかどうかは確認しておくとよさそうです。
自分で用意する場合の選択肢については、別記事にまとめています。
申し込む前に確認すること
公表情報から読める範囲で、確認しておくとよさそうな点を挙げます。
- そのコースが現在も受付中か。2026 年は受付停止が実際に起きています
- カリキュラムに AI 活用が入っているか。「AI が生成したコードを扱う」訓練があるか
- 就業支援の中身。「サポートあり」の一言で終わっていないか
- 給付金の対象か。条件を満たせば費用が下がる制度があります
とくに 1 つ目です。大手でも止まることがあると分かった以上、申し込み前に現況を確認するのが確実です。
それから、無料の説明会や体験には出ておいたほうがいいと思います。カリキュラムの中身は外から見えにくく、公式サイトの説明だけでは判断材料が足りません。
そこで「AI をどう扱っているか」を直接聞く。いまの基準に合わせているかどうかが、そこで分かります。
まとめ
- 2026 年 1 月、大手スクールが募集停止。現在も受付停止のコースがある
- スクールの機能は 5 つに分解できる。AI が置き換えたのは ②講義 と ③質問対応
- ①カリキュラム ④制作支援 ⑤就業支援は残っている
- 開発者の 64% が学習に AI を利用(2026 年 2 月調査)
- 評価基準が「書けるか」から「AI の出力を理解・修正できるか」へ
- 判断は「自分が 5 つのどれを買うのか」で決まります
※本記事は 2026 年 9 月 10 日時点で確認した公表情報にもとづきます。私自身が特定のスクールを受講した記録ではありません。募集状況や料金は変わるため、申し込み前に各社の公式サイトでご確認ください。


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