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AI で作った音声は売っていいのか、利用規約を読んでみた(2026年9月時点)

マイクとヘッドホンの置かれた作業机 AI・生成AI

動画にナレーションを付けようと思って、AI 音声のツールを探していました。無料のものがいくつもあって、どれも「商用利用 OK」と書いてあります。

それなら仕事にも使えるな、と思ったところで手が止まりました。「OK」の横に、必ず何か条件が付いているのです。

最初は軽く考えていました。「商用利用 OK」と書いてあるものを選べばいいだろう、と。

ところが、同じ声を扱っているページを二つ見比べたところで手が止まりました。片方は「使える」、もう片方は「使えない」と書いてある。同じキャラクターの名前が出ているのに、です。

結論から書きます。調べてみて、いちばん驚いたのはここでした。

同じキャラクターの声でも、どのソフトで作ったかによって商用の可否が正反対になる場合があります。

声の名前で判断すると間違えます。以下は 2026 年 9 月 4 日時点で公式ページを読んで確認したものです。

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同じ声なのに、答えが違いました

具体例で書きます。日本でよく使われている音声合成キャラクターがあり、複数のソフトに収録されています。同じ名前、同じ声です。

作った場所商用利用
無料の音声合成ソフト(VOICEVOX)クレジット表記をすれば可能
市販の読み上げソフト(VOICEPEAK 版)不可。商用ライセンスの用意もなし

後者のソフトの使用許諾契約書には、本製品は商用・業務用途利用不可製品ですという趣旨が書かれていました。生成した音声を使った作品を商用で使うことはできない、という内容です。

お金を払って買ったソフトのほうが不可で、無料のほうが条件付きで可能。直感と逆でした。

ですから「あの声は商用 OK らしい」という覚え方は成り立ちません。自分がどのソフトで出力したかが先にあります。

確認先 — 各ソフトの利用規約・エンドユーザー使用許諾契約書(2026 年 9 月 4 日時点)

規約は 1 枚ではありませんでした

読み進めて分かったのは、確認すべき場所が複数あるということでした。

何が書かれているか
① ソフトの規約そのソフトで作った音声をどう使えるか
② 声(キャラクター)の規約クレジット表記の要否と書き方。ソフトとは別に存在する
③ 出す場所の規約動画サイト・音声配信・素材販売サイトなど
④ 料金プラン無料プランでは商用不可、という条件がある場合がある

②が見落としやすいところです。ソフト全体の規約とは別に、収録されている声ごとに規約があります。声を作った人がそれぞれ設定しているためです。

クレジットの書き方もそちらに載っています。「ソフト名:キャラクター名」という形式が求められる例がありました。

クレジット表記を省くと、別契約になります

ここも押さえておく価値があります。

確認した規約では、クレジット表記をすれば商用・非商用ともに無料とされていました。裏を返すと、表記をせずに商用利用する場合は別途契約が必要ということです。

企業の広告など、画面にクレジットを出しにくい場面はあります。その場合は問い合わせて契約する、という道筋になります。

つまり「無料」の対価がクレジット表記だということです。表記を外すなら、そこは有料になる。読んでみると筋は通っています。

ではどこに書けばいいのか。ここも規約に指定がありました。

  • 動画なら概要欄、または音声の冒頭か末尾
  • 制作物なら奥付にあたる位置
  • 書き方は「ソフト名:キャラクター名」の形式

「どこかに書いてあればいい」ではありません。音声の中に入れるよう求めているケースもあります。動画の説明文だけで済ませていると、そこが条件を満たしていない可能性があります。

納品物として渡す場合はさらに面倒です。依頼した側がクレジットを外してしまうと、条件が崩れます。受注のときに伝えておく必要がありそうです。

声と絵は、別の規約でした

もう一つ、混同しやすい点があります。

音声の規約と、キャラクターの絵の規約は別です。声の利用が無料で通っても、立ち絵やイラストを動画に出す場合は、別のガイドラインを見ることになります。

実際、以前は絵のほうだけ問い合わせが必要という状態があったと報じられています。規約は改定されます。いま見ている記事がいつのものかを確認してください。

本記事も 2026 年 9 月 4 日時点のものです。

海外のツールは、もう一段ハードルがあります

高品質な海外製のツールも増えています。ただし、確認の手間は増えます。

  • 規約が英語で書かれている
  • 準拠法が海外にある
  • 無料プランでは商用利用が不可で、有料にして初めて可能になる例がある
  • 無料プランではそのツールで作ったことの明記が求められる例がある

「無料で試して、そのまま仕事に使う」という流れが、規約上そこで切れている場合があります。試用と商用は別という設計です。

具体的には、こういう分かれ方をしている例がありました。

プランできること
無料機能は試せるが商用利用は不可。作ったことの明記も必要
有料(最下位プラン)商用利用が可能になる

月額としては小さい額でした。ただ「無料でできる」と紹介している記事を読んで始めると、この線を踏み越えます。紹介記事が触れていないだけで、規約には書いてあります。

ここも b6 のときと同じ形です。人の要約ではなく、公式ページを開く。結局そこに戻ります。

出す場所の規約も、別にあります

ツール側をすべて満たしても、そこで終わりではありません。

出す場所確認しておくこと
動画プラットフォームAI 音声自体は許容でも、量産・低品質とみなされる作りへの姿勢
オーディオブックの販売AI ナレーションであることの明示や、品質の基準が設けられる場合
素材・同人の販売サイト元ツールの再配布禁止条項とぶつからないか

三つ目が盲点になりやすいところです。多くのツールが「生成した音声そのものを素材として再配布・販売すること」を制限しています。動画に載せるのは可でも、音声ファイル単体を売るのは別、という切り分けです。

プラットフォーム側の規約については、動画の収益化まわりを別記事にまとめています。ナレーションを動画に載せる場合は、そちらもあわせて確認してください。

スキルマーケットで受注する形を考えている場合は、出品ルールの側にも制限があります。作れることと、売れることは別です。

人の声に似せることは、別の問題です

ここは規約の話とは層が違うので、分けて書きます。

実在する人の声に似せた音声を無断で使うことには、法的なリスクがあると指摘されています。ツールの規約を守っているかどうかとは別の問題として存在します。

声の権利がどこまで及ぶのかは、まだ整理の途中にある論点です。ここで結論は書きません。ただ、ツール側が許可していることと、法的に問題がないことは同じではない、という点だけ置いておきます。

読む順番を決めておくと早いです

調べていて、順番を決めたほうが早いと分かりました。

  • 1. 使うソフトの規約 — 商用が可か。有料版と無料版で違わないか
  • 2. 使う声の規約 — クレジット表記の要否と書き方
  • 3. 出す場所の規約 — 音声単体で売るのか、作品に組み込むのか
  • 4. 自分の使い方 — 試用の範囲か、仕事として使うのか

この 4 つを先に確認しておけば、作ったあとで使えないと分かる事態は避けられます。作ってから調べると、作り直しになります。

私はこの順番を知らずに、先にツールを触っていました。幸い試用の範囲でしたが、そのまま仕事に使っていたら規約違反になっていた可能性があります。

なお、AI が作ったものの権利まわりを腰を据えて確認したい場合は、法律の専門書も出ています。規約を読むだけでは足りないと感じたときの参考書として挙げておきます。

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迷ったら、出す前に聞く

規約を読んでも判断がつかない場面はあります。とくにクレジット表記の書き方や、素材としての扱いあたりです。

各ツールには問い合わせ窓口があります。公開してから指摘を受けるより、先に確認しておくほうが早いです。

今回もそうでしたが、規約は読めば書いてあります。読みにくいだけで、隠されているわけではありません。10 分かけるかどうかの差だと思います。

まとめ

  • 同じ声でも、使ったソフトによって商用の可否が変わる場合がある
  • 確認する規約は 4 層。ソフト・声・出す場所・料金プラン
  • 「無料」の対価がクレジット表記という設計。外すなら別契約
  • 音声の規約と絵の規約は別
  • 海外ツールは規約が英語・準拠法も海外。無料プランは商用不可の例がある
  • 多くのツールが音声ファイル単体の再配布・販売を制限している
  • 実在の人の声に似せることは、規約とは別の問題として存在する

※本記事の規約内容は 2026 年 9 月 4 日時点で各公式ページを確認したものです。規約は改定されるため、利用前に最新の記載をご確認ください。

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