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AI で書いた小説は、なろう・カクヨムに投稿して稼げるのか AI 利用の申告ルールを読んでみた(2026年10月時点)

夜の机でノートとノートパソコンに向かう手元 AI・生成AI

AI に小説を書かせて、Web 小説サイトに投稿し、広告収入の還元で稼げないか。そう考える人は増えているようで、質問サイトにも同じ種類の相談がここ数か月で続けて出ています。

「AI 小説でお金稼ぎってできますか?カクヨムとかなろうのリワード狙いで」「小説家になろうの『AI 直接使用』と『AI 間接利用』がわかりにくいです」「AI が 4 割、自分 6 割程度の小説を投稿しても良いでしょうか」。回答は「才能次第」「人気は出ない」といった意見が中心で、公式のルールを示しているものは一部でした。

しかも 2026 年は、2 つの大きな投稿サイトがそろって AI のルールを変えた年でした。そこで、小説家になろうとカクヨムの公式ガイドライン、それになろうの収益還元プログラムの規約を開いて、AI に関する記載を確かめました。確認は2026年10月19日時点です。

※ 本記事は公開されている記載を整理したものです。個別の作品がどの区分に当たるかを判定するものではありません。また、筆者はどちらのサイトにも小説を投稿したことはなく、以下はすべて公開資料を読んだ結果です。

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2 つのサイトを並べると

先に全体を示します。どちらも AI を使った小説の投稿そのものは禁止していませんでした。違うのは、申告が義務か推奨か、という点です。

小説家になろうカクヨム
AI の申告必須(2026年6月9日から)推奨(コンテスト応募作は必須)
区分直接使用・間接利用・補助的利用・不使用の 4 つAI本文利用・AI本文一部利用・AI補助利用の 3 つのタグ
線の引き方AI の文章をそのまま使ったか、自分で全部書き直したか本文のうち AI が生成した割合(目安 50%)
全編 AI の作品投稿禁止ガイドラインに禁止の記載は見当たらない
根拠ガイドライン「AI利用状況に関して」小説投稿ガイドライン(2026年5月27日更新)
2 つの Web 小説サイトの AI に関する記載(2026年10月19日確認)

小説家になろう:設定しないと投稿できなくなった

小説家になろうは、2026年5月に AI 利用状況の設定を必須にすると発表し、6月9日から作品設定ページに「AI 利用状況」の項目を加えました。ガイドラインには、AI 利用状況を設定しない新規作品の投稿は行えない仕様だと書かれています。

すでに投稿されている作品についても、報道によると9月1日以降は設定しないままだとエピソードの投稿や作品情報の編集ができなくなる、とされていました。目的についてガイドラインは、読者だけでなく、メディア化などで作品に関わる企業との認識のずれを防ぎ、作品への信頼を守るためだと説明しています。

4 つの区分は、次のように定義されていました。

区分当てはまる使い方読者への表示
AI直接使用AI が生成した文章を、本文の中でそのまま使っている箇所がある作品情報ページに表示、キーワードにも反映
AI間接利用AI の生成物を下書きや素材にして、すべて自分で編集・改稿した作品情報ページに表示
AI補助的利用アイデア出し、資料調査、誤字脱字チェックなど、本文の執筆には関与しない第三者には非公開
AI不使用構想・プロット・執筆・校正のすべてで AI を使っていない第三者には非公開
小説家になろう ガイドライン「AI利用状況に関して」の区分(2026年10月19日確認)

補助的利用と不使用は読者には見えませんが、コンテストに参加している場合や、商業化などで問い合わせがあった場合には、関係する企業に伝えることがあるとも書かれていました。

「直接」と「間接」の線は、文章のまとまりで引かれていた

質問サイトで「わかりにくい」と言われていたのが、直接使用と間接利用の違いです。ガイドラインを読むと、線は次のように引かれていました。

直接使用の対象は、単一の文章を超えた「連続する文章のまとまり」として AI の文章をそのまま使っている場合からです。例として、場面転換から次の場面転換までの記述、段落単位での貼り付け、自分で書いた文章を AI に書き換えさせてそのまま貼り付けた場合が挙がっていました。

判断の目安として、AI の文章に対する作者の修正が単語の変換などにとどまるなら直接使用、作者が全体を修正・改変したなら間接利用、という一文もありました。また、それ単独では創作性を持たない、AI が生成した短い単一の文章を使っている場合は、間接利用に入るとされています。

つまり、「AI が 4 割、自分 6 割」という割合そのものでは決まらない書き方です。AI の文章を、まとまりのまま残しているかどうかが分かれ目になっていました。どこまで書き直せば「全体の修正・改変」になるのかを数字で示した記載はなく、最終的には作者が「最も近しい区分」を選ぶ形になっています。

小説家になろうで禁止されていること

ガイドラインには、運営が作品の非公開化や、悪質な場合のアカウント停止などの対応をとる禁止事項が 4 つ並んでいました。

禁止事項中身
全編 AI 生成作品の投稿作者の加筆・修正が一切なく、本文すべてが AI の生成文だけの作品。利用規約の「ユーザが構想及び執筆した」作品に当たらないとされる
本文欄へのプロンプト記載AI への指示文を本文に載せること
虚偽の設定実際と違う区分を選ぶこと、使い方が変わったのに区分を変えないこと
備考欄の目的外使用直接使用・間接利用の備考欄に AI と関係ない情報を書くこと
小説家になろう ガイドラインの禁止事項(2026年10月19日確認)

「直接使用」を設定していても、加筆・修正が極めて限られていて実質的に全編 AI 生成と判断できる場合は、対応の対象になるおそれがあるとも書かれていました。申告さえすれば何でも投稿できる、という仕組みではありません。

もう一つ目に付いたのは、商業化に関する注意です。設定をしていない、あるいは虚偽の設定をしたまま書籍化などが進んだ場合、トラブルが起きても運営は責任を負えず、特に虚偽設定が原因のトラブルでは、設定したユーザーが賠償といった大きなリスクを負うおそれがあると明記されていました。

カクヨム:タグは「推奨」、コンテストでは「必須」

カクヨムは、2026年5月27日に小説投稿ガイドラインを更新し、生成 AI を使った作品に使用状況に応じた 3 つのタグを付けることを推奨しています。

タグ使用状況
AI本文利用本文の大半(目安 50% 以上)が生成 AI の文章、またはそれに作者が軽微な修正を加えたもの
AI本文一部利用本文の一部(目安 50% 未満)が生成 AI の文章、またはそれに作者が軽微な修正を加えたもの
AI補助利用生成 AI のアイデアや資料をもとに作者自身が本文を書いたもの、作者の文章の校正を AI に行わせたものなど
カクヨム 小説投稿ガイドライン「生成AIの利用について」(2026年10月19日確認)

なろうと違い、カクヨムは本文に占める割合で区切っています。また、検索サービスなど日常で使っているツールの AI 補助機能や、文書ソフトの自動校正機能を使っただけなら、AI補助利用には当たらないという注記もありました。

ただし、コンテストでは扱いが変わります。カクヨムは2025年11月に、カクヨムコンテスト 11 への応募作品は、該当する場合は必ずタグを付けるよう求めていました。同じ月には、通常の創作活動では考えにくい過度な頻度での投稿を控えるよう呼びかけたことも報じられています。

リワードとの関係は、規約に書かれていなかった

「リワード狙い」の質問に答えるには、収益の仕組みの側も見る必要があります。小説家になろうの収益還元は「なろうチアーズプログラム」で、規約は2026年6月25日に変更されていました。

規約によると、このプログラムはサイトの広告収入などの一部を原資として、収益化を有効にした作品に専用の広告を設置し、その実績から「なろうリワード」を付与するものです。リワードは付与から約 1 年で失効し、交換できるのは Amazon ギフトカードなら 500 リワード、現金振込なら 3,000 リワードからとされていました。

この規約を通して読んでも、AI という言葉は出てきませんでした。AI 利用状況の区分によってリワードの扱いが変わる、という記載もありません。禁止事項として挙がっていたのは、不正な手段でリワードを得ることや、投稿する正当な権利を持たない作品でリワードを得ることなどでした。

カクヨムのガイドラインの AI の項目も、タグの区分だけを扱っていて、収益との関係には触れていませんでした。つまり 2 つのサイトとも、「AI を使ったら収益化できない」とは書いていない一方で、「AI 作品でも収益化できる」と保証する記載もない、というのが読んだ結果です。

なお、チアーズプログラムの規約には、リワードに関する確定申告の義務は参加ユーザーの責任だとも書かれていました。副業の所得がいくらから申告対象になるかは、国税庁のページを読んだ別の記事にまとめています。

AI で書いた文章を売る、ほかの場所

Web 小説サイトの広告還元以外に、AI で書いた文章を直接売る場所もあります。電子書籍として出す場合の KDP の申告ルールと、note の有料記事の規約は、それぞれ別の記事で読んでいます。

調べても分からなかったこと

疑問今回読んだ範囲での状態
なろうで、どこまで書き直せば「全体の修正・改変」になるのか数字や具体的な量の記載なし
AI 利用状況の区分によって、なろうリワードの扱いが変わるのかチアーズプログラム規約に記載なし
カクヨムで、全編 AI の作品はどう扱われるのかガイドラインの AI の項目に禁止の記載は見当たらない
カクヨムの収益還元と AI タグの関係ガイドラインの AI の項目に記載なし
公式の記載で確認できなかったこと(2026年10月19日時点)

2 つのサイトとも、ルールは2025年から2026年にかけて何度も更新されています。投稿や収益化の設定をする前には、各サイトのガイドラインとお知らせの最新版をあらためて確認してください。

まとめ

読んで分かったのは、小説家になろうもカクヨムも、AI を使った小説の投稿は認めていたこと。そのうえで、なろうは4 区分の設定を必須にし、全編 AI 生成の作品や虚偽の設定を禁止していたこと。カクヨムは3 つのタグを推奨し、コンテストでは必須にしていたことでした。

なろうの「直接」と「間接」は、AI の文章をまとまりのまま残しているかどうかで分かれていました。割合で区切るカクヨムとは、線の引き方そのものが違います。

「リワード狙い」で AI 小説を書けるかという質問には、規約は AI を理由に収益化を閉じてはいないが、AI 作品の収益化を約束する記載もない、というところまでが公式の資料から答えられることでした。

※ 本記事の内容は2026年10月19日時点で確認した公開情報です。既存作品の設定期限(2026年9月1日)は報道にもとづいています。

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