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AI で作ったものの権利は、規約にどう書かれているのか 4 つのサービスを読んでみた(2026年9月時点)

机の上の書類と虫眼鏡 AI・生成AI

AI で作ったものを売るとき、最初に引っかかるのがここです。この出力、売っていいのか。

答えの半分は、自分が使っているサービスの利用規約に書いてあります。残りの半分は著作権法の側の話で、そちらは別の記事にしました。この記事は前半だけです。4 つのサービスの規約を読んで、出力の権利がどう書かれているかを並べます。

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読んだもの

サービス読んだ文書版・確認日
ChatGPT・DALL·EOpenAI 利用規約(個人向け・日本を含む地域版)2026 年 1 月 1 日発効
ClaudeAnthropic 消費者向け利用規約/商用利用規約2026 年 9 月 21 日確認
GeminiGoogle 利用規約/Gemini API 追加利用規約Google 利用規約は 2026 年 7 月 30 日発効
MidjourneyTerms of Service/公式ヘルプ2026 年 5 月 27 日版

ひとつ注意があります。Google には「生成 AI の追加利用規約」という文書が別にあり、日本語の解説記事でもよく引かれています。ただしその文書自体に、2024 年 5 月 22 日以降は、この規約に言及した契約に署名済みのビジネスパートナーを除いて適用されないと書かれていました。AI に関する内容は Google 利用規約の本体に入っています。

どこも「出力はあなたのもの」と書いてある

結論から言うと、4 つとも所有権を主張していません。書き方はそれぞれ違います。

  • OpenAI:入力についての権利は利用者が保持し、出力は利用者のものとする。そのうえで「当社が持つ権利があれば、それをすべて譲渡する」という形を取っています
  • Anthropic:規約を守っていることを条件に、出力についての権利(もしあれば)をすべて利用者に譲渡する、と書かれています
  • Google:一部のサービスは利用者がオリジナルのコンテンツを生成できるようにしており、そのコンテンツについて Google は所有権を主張しないと明記されています
  • Midjourney:適用される法律の範囲で、利用者が作成した Assets(画像・動画など)をすべて所有する、という書き方です

読んでいて共通していたのが、「もしあれば」「適用される法律の範囲で」という留保です。サービス側が持っている権利を渡す、という約束であって、その出力に著作権が発生していることを保証する文ではありません。

「そもそも権利が発生しているのか」という段については、文化庁の資料を読んだ別記事にまとめています。

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条件が付いていたのは Midjourney でした

4 つの中で、所有に例外が列挙されているのは Midjourney だけでした。規約の「Content Rights」にこう書かれています。

  • 所有は、この契約上の義務と第三者の権利に服する
  • 年間売上 100 万ドルを超える会社、またはその従業員は、Assets を所有するために「Pro」または「Mega」プランに加入している必要がある
  • 他人の画像をアップスケールした場合、その画像は元の作成者のものである

所有そのものは、あとでプランを下げても解約しても続くとされています。一方で、利用者から Midjourney へ渡すものもあります。入力したプロンプトやアップロードした素材、そして生成された Assets について、複製・二次的著作物の作成・公開・再許諾・配布を認める、無期限で取り消せないライセンスを与える、という条項です。このライセンスは契約が終了しても残ります。

加えて、初期状態では作ったものが公開され、他の利用者がリミックスできる前提になっています。これを避ける Stealth 機能は Pro・Mega の範囲です。売り物にする前提で作るなら、ここは先に見ておく場所でした。

「同じものが他人にも出る」と書いてある

独占できるかどうかについても、規約に書いてありました。

OpenAI の規約には、出力は一意とは限らず、他の利用者が似た出力を受け取ることがあるという項があります。そして上の譲渡は、他の利用者の出力には及ばないと続きます。Gemini API の追加利用規約にも、Google が同一または類似のコンテンツを他者に対して生成すること、そのために必要な権利を留保することに利用者が同意する、と書かれています。

つまり「自分に権利がある」と「他人が同じものを持てない」は別です。同じプロンプトから似たものが出てくること自体は、規約が想定している動きでした。

個人と会社で、読む文書が変わる

副業でも、法人や勤務先の名義が絡むと適用される文書が変わります。ここは 4 つとも構造が同じでした。

サービス個人向け事業者・API 向け
OpenAI利用規約(ChatGPT など)Business Terms(API・Enterprise)
Anthropic消費者向け利用規約(Claude.ai など)商用利用規約(API など)
GoogleGoogle 利用規約サービス固有の追加規約が優先
Midjourney同一の規約売上 100 万ドル超はプラン指定あり

Anthropic の商用利用規約には、顧客が出力を所有すること、Anthropic がサービスの顧客コンテンツでモデルを学習させないことが書かれています。個人向けの消費者規約とは別の文書です。OpenAI も、会社のドメインで作ったアカウントが組織の管理下に移ることがある、と規約に書いていました。勤務先のメールアドレスで作ったアカウントで副業の作業をするのは、この意味でも避けたほうが無難です。

入れたものがどう使われるか

受注した仕事の資料を貼り付けて作業する場合は、こちらも関係します。

OpenAI の規約には、コンテンツをサービスの提供・維持・開発・改善などに使うとあり、モデルの学習に使われたくない場合はオプトアウトできると案内されています。Anthropic の商用利用規約は、サービスの顧客コンテンツでモデルを学習させないと明記しています。Google 利用規約は、利用者のコンテンツに対するライセンスの目的を「サービスを運営し改善するため」「新しい技術およびサービスを開発するため」などに限定する形で書いています。Midjourney は、入力と Assets について取り消せないライセンスを取る条項です。

権利を持っているかどうかとは別に、人から預かったものを入れていいかは、この段を見てから決めることになります。

売る側が引っかかりそうな禁止事項

権利の話とは別に、禁止事項の側にも売る人に関係する条文がありました。

  • 人が書いたものだと偽らない。OpenAI は「出力を人間が生成したものだと表示すること」を禁止しています。Google 利用規約にも、生成 AI のコンテンツを人間が作成したものだと誤解させる行為が並んでいます
  • 出力を使って競合モデルを作らない。OpenAI は明記、Google は「AI 生成コンテンツを機械学習モデルの開発に使うこと」を禁止しています
  • 自動で取り出さない。OpenAI は出力の自動的・プログラム的な抽出を、Midjourney は自動化ツールでの生成を禁じています
  • 他人の作ったものを再投稿しない。Midjourney のコミュニティガイドラインにあります。公開ギャラリーで見た画像を持ち出す行為が該当します

1 番目は、販売先の申告ルールとも重なります。KDP やココナラのように、AI を使ったかどうかの申告を求める場所は別にあり、そちらは販売先ごとの規約の話です。

読んでも分からなかったこと

読んだ範囲で、書かれていなかったことも書いておきます。

  • 出力に著作権が発生するかどうか。どの規約も判断していません。「もしあれば」で処理されています
  • Gemini の個人向けに、商用利用の可否を名指しで書いた項は見つけられませんでした。Google 利用規約の一般条項として読むことになります
  • どこまで手を入れれば自分の作品になるか。線引きは規約の外です

売る前に確認しておくこと

  • 自分に適用される版を開く。同じサービスでも個人向けと事業者向けで文書が違います
  • 例外条項だけは読む。所有を認める文のすぐ下に、条件が並んでいることがあります
  • サービス側に渡すライセンスの範囲を見る。公開・リミックスが初期状態という場所もあります
  • 販売先の規約と二重に確認する。生成元が認めていても、売り場が別の申告を求めます
  • 読んだ日を控えておく。4 つのうち 3 つは、この 1 年以内に版が改まっていました

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まとめ

  • 4 つとも出力の所有権を主張していない。譲渡・不主張の形で利用者側に置いている
  • ただし「もしあれば」「法律の範囲で」という留保付きで、著作権の発生を保証する文ではない
  • 例外が列挙されているのは Midjourney。売上 100 万ドル超の会社はプラン指定があり、初期状態は公開・リミックス可
  • 似た出力が他人に出ることは規約に明記されている。独占の話とは別
  • 個人向けと事業者向けで読む文書が変わる。勤務先ドメインのアカウントは組織側に移ることがある
  • 禁止事項の側に「人が作ったと偽らない」が入っている

※この記事は 2026 年 9 月時点で公開されている各サービスの規約を読んだ記録です。法的な助言ではありません。規約は改定されます。実際に売る前には、その時点の規約を自分で開いて確認してください。

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