日本で仕事をしていますが、私は日本語が母語ではありません。技術のことなら何時間でも書けるのに、取引先へのメールになると送信ボタンの前で止まります。
失礼になっていないか。丁寧すぎて不自然じゃないか。文法は合っているのに、なぜか「日本人が書いた文章」に見えない。この感覚が分かる方に向けて書いています。
結論から言うと、AI に見てもらってから送るようになって、この不安はほぼ消えました。その頼み方をそのままコピーできる形で置いておきます。
「書かせる」のではなく「直してもらう」
最初は AI に丸ごと書かせていました。これは失敗でした。
出てくる文章はきれいなのですが、実際にはなかった経緯が混ざったり、こちらが言っていない条件が入ったりします。日本語として自然かどうかは判断できても、内容が事実と違うことには気づけます。直すたびに時間が増えていきました。
自分で書いてから直してもらう形に変えたら、一気に楽になりました。中身は自分が知っているので事故が起きません。AI がやるのは言い回しの調整だけです。日本語に自信がない人ほど、この順番が効きます。
基本の頼み方
場面が変わっても、この形は変わりません。
次のメールを、【送る相手】に送るものとして直してください。
・意味は変えないでください
・【どうしたいか】
・直した箇所と、なぜそう直したのかも教えてください
【自分が書いたメール】
「意味は変えないで」を必ず入れてください。これがないと、AI は良かれと思って内容を足したり、条件を勝手に和らげたりします。
そして「なぜそう直したのか」。これが非ネイティブにとって本体です。直った文章をコピーするだけなら、次も同じところで間違えます。理由を読んでいると、少しずつ自分で書けるようになります。私はこれで「〜させていただく」の使いすぎに気づきました。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
場面別・そのまま使える頼み方
【 】の部分だけ差し替えてください。
1. お願いする
いちばん多い場面です。日本語に自信がないと、つい丁寧さを足しすぎます。結果として、何を頼まれているのか分からないメールになります。
次のメールを、取引先へのお願いとして直してください。
・意味は変えないでください
・へりくだりすぎず、何をいつまでにお願いしたいかが一読で分かるように
・直した箇所と、なぜそう直したのかも教えてください
【メール】
2. 断る
いちばん気を使う場面です。ここで曖昧にされるのがいちばん困ります。断ったつもりが伝わっておらず、相手が待ち続けていた——という失敗を私は実際にやりました。
次のメールを、お断りの返信として直してください。
・断るという結論は変えないでください。曖昧にしないでください
・相手との関係は続けたいので、角が立たない言い方で
・直した箇所と、なぜそう直したのかも教えてください
【メール】
3. 謝る
言い訳が混ざっていないかを見てもらうのが目的です。自分では気づきにくく、読む側にはすぐ伝わります。
次のメールを、お詫びの連絡として直してください。
・意味は変えないでください
・言い訳に読める部分があれば指摘してください
・お詫び → 原因 → 今後の対応 の順に整理してください
【メール】
4. 催促する
返事が来ない、資料が届かない。責める調子になっていないかを見てもらいます。
次のメールを、催促の連絡として直してください。
・意味は変えないでください
・相手を責める調子になっていないか確認してください
・行き違いの可能性にも触れる書き方にしてください
【メール】
5. 社内に報告する
社内文書は丁寧さより読む速さです。長い前置きは削ってもらいます。
次の文章を、社内向けの報告として直してください。
・結論を最初に持ってきてください
・前置きや挨拶は削ってください
・箇条書きにできるところは箇条書きに
【文章】
母語じゃない私がつまずいたところ
文法書には載っていないのに、実際に困るのはこの 3 つでした。どれも「正しいかどうか」ではなく「ちょうどいいかどうか」の問題です。
丁寧さの「ちょうどよさ」が分からない
これがいちばん難しいところです。教科書で習うのはいちばん丁寧な形なので、そのまま使うと社内メールでも妙にかしこまってしまいます。かといって崩すと失礼になるかもしれない。迷ったら、判断そのものを聞いてしまうのが早いです。
次のメールは、【送る相手】に送ります。
丁寧さの程度は適切でしょうか。
・丁寧すぎる箇所、逆に足りない箇所を指摘してください
・直した案も出してください
【メール】
二重敬語に気づけない
丁寧にしようとすると敬語を重ねてしまいます。自分では丁寧に書いたつもりなので、指摘されるまで分かりません。文章はこのままでいい、敬語だけ見てほしい時はこう頼みます。
次の文章の敬語だけ確認してください。
・文章の構成や順番は変えないでください
・二重敬語や、使い方が間違っている箇所を指摘してください
・なぜ間違いなのかも教えてください
【文章】
「構成は変えないで」を入れないと、全部書き直されて戻ってきます。それだと何が敬語の間違いだったのか分かりません。
文章が硬くなりすぎる
辞書で調べた言葉を使うと、間違ってはいないのに普段こう書く人はいないという文章になります。この感覚は経験でしか身につかないので、素直に聞いています。
次の文章に、実際のビジネスメールではあまり使わない言い回しがあれば
指摘して、自然な言い方に直してください。
意味は変えないでください。
【文章】
それでも自分で確認すること
直してもらった文章を、そのまま送らないでください。次の 3 つは AI が壊すことがあります。
- 日付と時刻。「来週火曜」が「来週中」になっていることがあります
- 数字と金額。丸められたり、単位が変わったりします
- 固有名詞。会社名・商品名・人名が微妙に違う表記になります
ここは日本語力とは関係ありません。「直した箇所を教えて」と頼んでおけば、その部分だけ見比べれば済みます。
貼ってはいけないもの
- 相手の氏名・会社名・メールアドレス・電話番号。【A社】【担当者様】に置き換えてから貼ってください
- 金額や契約条件などの取引情報。会社の規則で禁止されていることがあります
- 受け取ったメールの原文をそのまま。相手が書いたものは自分のものではありません
置き換えは面倒に見えますが、実際にやると 10 秒ほどです。直してもらった後に戻せば済みます。
ほかの用途も試す
メール以外の頼み方は、こちらにまとめています。要約・アイデア出し・英文返信など、用途別の例文つきです。
どの AI を使うか決まっていない方は、先にこちらを確認しておくと選びやすくなります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク
まとめ
- 丸ごと書かせるより自分で書いてから直してもらう
- 「意味は変えないで」と「なぜそう直したのか」を必ず入れる
- 丁寧さの程度は判断ごと AI に聞いてしまう
- 敬語だけ見てほしい時は「構成は変えないで」を添える
- 日付・数字・固有名詞は日本語力と関係なく自分で確認
日本語が母語でなくても、仕事のメールで止まらなくなります。まずは今日書いた 1 通を貼って、直った理由を読んでみてください。



コメント